東日本大震災 被災地支援チーム SAVE IWATE

2011年3月11日(金)14時46分頃、東日本大震災が発生しました。岩手県の三陸沿岸地域は甚大な被害を受けました。この災害に対し、民間レベルでできる支援活動に取り組みたいと考え、県内在住有志で「SAVE IWATE」を立ち上げました。

過去の震災時に起きた問題および問題解消のための活動について

最近よく話題にのぼる余剰物資の問題や、被災者の定義付け(線引き)ですが、

阪神淡路大震災や、中越地震など、過去の震災時にも同様の問題があったようです。

このことについて、ボランティアの松前さんにまとめて頂きましたので、

長文ですがぜひ一読ください。

 

 

○救援物資の余剰について

 

行政の動き

・救援(支援・義援)物資の確保や物流、提供方法について検討した、消防庁における「災害支援物資の備蓄・物流計画ガイドライン検討会報告(平成18年6月)」では、余剰分の取扱いについては、「緊急物資等の調達が終了した時点で、余剰分が生じた場合には、地方公共団体の独自の裁量による有効活用を検討する」ことが提案されています。

・同じく消防庁において『緊急物資等の備蓄・調達に係るヒント集(参考事例の紹介)』(平成18年3月)がまとめられており、そのなかでこれまでの災害後の課題として「余剰物資の処分が必要不可欠である」ことが記されています。

・また、内閣府の「大規模災害発生時における情報提供のあり方に関する懇談会」(第1回、平成19年2月6日)http://www.bousai.go.jp/oshirase/h19/070206/070206kisya.html

の参考資料1の後半でも、過去の災害の情報不足により発生した事態として、過去の地震において救援物資が余ったことが指摘されています。

その後の具体的な活用法は明確に書かれていない場合が多いのですが、1993年の北海道南西沖地震の例として、「自治体による廃棄」と、「ボランティアが持ち帰る(持ち帰り先で廃棄、バザーに提供など)」の具体的な方法があげられています。

 

・過去の新聞記事を検索したところ、中越地震(2004年10月)の後、2005年2月時点で、保管されていた物資を被災者(市民・町民全体の場合も)に格安で提供するバザーをおこなったとありました。

また、その後に発生したスマトラ沖地震の際に津波の被害を受けたスリランカへ、保管されていた物資の中から飲料水やタオルを送り、また、地震から1年を経て、パキスタン地震の被災地へ毛布やマットレス、古着、飲料水を送ったそうです。

なお、当時の記事によれば、その時(地震の1年後)まで、長岡市は物資保管のため民間の倉庫を3つ借り、月78万円の賃料を払っていたとのことです。

 

NPOの活動など

・市民・連合ボランティアネットワーク『阪神・淡路大震災 復興復旧支援活動報告書』(1997年4月)からは、生活支援活動の一貫として、全国各地から寄せられた物資を被災者の方々や仮設住宅の自治会に届ける活動が1996年5月頃まで続いたと読める箇所があります。

・また、これは救援物資の余剰の活用ではないようですが、当時、物資支援のひとつのかたちとして「あげます・ください列島リレー」というものがあったようです。(みなさんご記憶でしたら、申し訳ありません。被災地の方たちに欲しいものを申し出てもらい、それを全国から送る活動のようですが、当時よりもさまざまなツールがありますので、よりよいかたちがつくっていけるようにも思った次第です。)

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/eqb/book/7-282/eqb03_005.html#001

 

・SAVE IWATEのMLで加古川のNPOの方が物資を引き受け、バザーを開催することを申し出てくださっていますが、 同様の活動をされている方々のなかで、バザーの収益の還元のしかたとして、直接の義援金のかたちだけではなく、被災地の方に必要な物を申し出てもらった上で現地の商店に注文することで復興支援にもつなげたいというような提案もあり関心を持ちましたので、あわせてご報告します。

 

○在宅避難者への対応について

 

・阪神淡路大震災の後に、避難所にいる人たちと在宅避難者との間で物資の配分などをめぐり問題が指摘されていますが、そうした経験も踏まえて策定されたであろう神戸市の地震対策には、「物資の配布を希望する在宅避難者は指定の避難所へ登録し、在宅避難者自らが避難所で受け取ることを原則とする」とあります。避難所は物資の配布を希望する在宅避難者の分も加えて物資を要請し、避難所を経由して物資が届けられることになります。「高齢者や障害者等自ら受け取りに来ることができない避難者は、コミュニティや近隣住民、ボランティア等が支援する」ともつけ加えられていますが、それでも、登録しない(できない)人や受け取りに行けない人の問題は出てくるように思われます。

・他の自治体のマニュアルでも(いくつか目を通した限りで)、在宅避難者への物資の配分に関しては同様のことが書いてある場合が多いのですが、在宅避難者へも積極的に情報を提供する必要があるといった指摘の一方、「すべてを把握するのは困難」であり、そのため、在宅避難者も自治会などを通じて組織化するほうが効率的だとの指摘もありました。

 

・その後の災害においては、例えば、2000年有珠山噴火災害の際には、「避難所以外へ避難した住民を対象として、自治会(町内会)を経由して物資の配布に係る情報を流し、物資の受入場所に配布コーナーを設け配布した。対応については、ボランティア等の協力を得た。」と報告されています。

また、中越地震の際には、とくに地震後すぐは、避難所・避難者だけでなく、町民全員の分の食料等を要請した自治体もあったそうです(各自治体により対応に違いがあったとのことです)。

ただ、中越地震の際には、地震後しばらくして、避難所では物資の余剰が報告される一方、在宅避難者には物資がほとんど届いていないという現状もあったようです。

 

・なお、避難所と在宅避難者との格差の問題と関連して、気になる指摘を見つけました。

阪神淡路大震災後の報告のなかで、被災者の実態把握について「県外被災者はもとより、応急仮設住宅入居者以外については、十分な実態把握がなされたとは言えない」との指摘がありました。おこなわれた公的支援と被災者の実感にギャップがあったことの背景には、支援対象者の(状況)把握が十分でなかったことがあり、そのひとつの要因として「応急仮設住宅入居者偏重」があったのではないかと指摘されています。

仮設住宅へ入居すると、避難所に居たときと違い急に自立を迫られるという問題が現在出て来ていますが、仮設住宅にはいられた方とそうでない方の間でも格差が生じる可能性があるということが気になりました。

 

以上です。

 

これらの教訓が現在生かされているかといえば、生かされていないように感じます。

しかしながら、被災者の定義に関しては、政府が出した曖昧な定義を、各市町村が

自分たちなりに解釈して使用しているようで、今口を挟もうにも遅すぎる段階です。

この先、現状はまた思ってもみない形に変化するかもしれませんが、

こうして過去に起きた事を探ってみると、だいたいの予測はつくのかもしれません。

少しでも過去の教訓を生かした活動が、全国で行われますように。

 

事務局 小野寺

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